【初心者向け】コード進行の基本的な考え方を初心者の方にも解りやすく説明します。

この記事では事前に「スケールについて」を読んでいると理解がスムーズです。

はじめに

コードについて色々話をするときは英語を使うことが多いです。
そこで英語の表記について簡単に解説します。

まず、音名の英語表記についてはこちらの記事をご覧ください。

次に音程(完全・長・短・増・減)についての英語表記とその簡略です。

完全音程=perfect Interval(パーフェクト)「P」

長音程=major Interval(メジャー) 「M」

短音程=minor Interval(マイナー)「m」

増音程=augment Interval(オーギュメント) 「aug」

減音程=diminish Interval(ディミニッシュ)「dim」

こちらをまずは覚えてください。

1.ダイアトニックコード(diatonic chord)

ダイアトニックスケール(diatonic scale)の各音に3度音程で音を重ねます。

  • 3つ重ねたものをトライアッドtriad / 三和音)
  • 4つ重ねたものをテトラッドtetrad / 四和音)

と言います。(2つの場合は重音といいます)

重ねた音の下から順番に、Root(ルート),3rd(サード),5th(フィフィス),7th(セヴンス)と呼び、
Rootがコードネーム(chord name)になります。

その結果7種類のコードが完成します。音名の組み合わせで考えるので
オクターヴ上のコードは区別しません。

そして、7種類のコードに対してスケールの最初の音(主音)から順番にローマ数字で番号を振り、これを度数(degree)といいます。

以下の表にまとめたのでご覧ください。(Cメジャースケールのダイアトニックコードになります。)

|が長3度関係、・が短3度関係になります。

midiで打ち込むと次のようになります。

triad
tetrad

2.コードネームの構造

コードネームの名付けには、ある程度の規則性があります。

  1. 3rdがmajorかminorか
    majorの場合はRootのみ表記。minorの場合のみmを加える。
  2. 5thがPかaugかdimか
    P5の場合は表記なし。augはM3から派生 。 dimはm3から派生。 それぞれ3rdを省略し表記。
  3. 7thがmajorかminorか
    majorの場合はM7と表記。minorの場合は7と表記。

dim系が不規則な変化になります。

変化のパターンを表にまとめたのでご覧ください

m3=短3度 M3=長3度 P5=完全5度 aug5=増5度 dim5=減5度 m7=短7度 M7=長7度 dim7=減7度

・ディグリーネーム (degree name)

コードネームを抽象化することでCメジャースケール以外のメジャースケールでも応用できるようになります。
やり方はコードネームのアルファベットをディグリーに置き換えるだけです。

例としてCメジャースケールとDメジャースケールを用意しました。

Dメジャースケールの求め方はスケールの記事で扱った(全・全・半)全(全・全・半)を元にDの音から始めてみてください。D以外の音でも試してみてください。

3.コードの機能(役割)

コードにはそれぞれ役割があり、これを機能といいます。機能は大きく分けて3つあります。

  • Tonic(トニック)
    主和音:基調となる和音、全体の印象を決める
  • Dominant(ドミナント)
    属和音:アクセントになる和音、全体を引き締めたり注意を引き変化を生み出す
  • Subdominant(サブドミナント)
    下属和音:補助的な和音、ニュアンスを加えたりイメージの表情を豊かにする

和音は度数によっていずれかの機能に振り分けられます。

Tonic系「T」=Ⅰ Ⅵ

Dominant系「D」=Ⅴ Ⅶ

Subdominant系「S」=Ⅳ Ⅱ

Ⅲは文脈によってTonicかDominantになります。

4.機能のつなぎ方

機能には基本的な3つのまとまりがあり、これをケーデンス(cadence)といいます

C1.T-D-T

C2.T-S-D-T

C3.T-S-T

1.2.3をそれぞれ組み合わせることもできます。
その場合は末尾のTを先頭のTと考えて圧縮することもできます。
また、同じ機能どうしは重複することも可能です。

次の図でつなぎ方をまとめました。
表はtriadの場合のみですが、これまでの表や考え方を元にtetradのコードネーム、
ディグリーネームも考えてみてください。

それぞれの機能に対応するコードを一つ選んでつなげていきます。

例) Ⅰ-Ⅴ-Ⅰ-Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅱm-Ⅴ-Ⅲm-Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ

ⅢはDの場合はⅥへ、Tの場合はⅣへ進ませるとスムーズに繋がります。

上記の型を守りつつtriadはtriadどうし、tetradはtetradどうしで繋ぐのがコツです。
しかし、明確な意図を持っているのであればあえて崩すことも効果的です。

たとえば、

「Dはアクセントの役割だから、TやSはtriadで、でもDだけはtetradにしてみよう」

このように発想することもできます。

曲を分析するとこれらの基本型から外れているものもあります。(D-S)など。
その場合は出てくるたびにその都度新しい型として覚えていくのが良いと思います。

5.ノートのつなぎかた

コードの同時発音数は同じに、動きは最小限に

たとえば、triadは最低発音数が3あれば表現できます。
必要な同時発音数は曲の雰囲気によって変わりますが、隣り合うコードどうしの差は±1、2ほどを目安にしましょう。

また、上下の動きは最小限にすることでより自然な進行をつくれます。
(もちろん例外が山ほどあります)

次の例では同時発音数は4で統一しています。

赤いノートが横並びになっている部分はコード間で共通している音。(Cコード:構成音CEGとGコード:構成音GBDではGが共通)共通音の音高は揃えると自然です。

しかしながら、最初のうちはそこまで気にすることはありません。
まずは色々なコードをつなげてみることが大切です。

ダイアトニックコードの図を参考に色々試してみてください。

コード理論のオススメのブログ

キーボーディスト、作曲家の「まえばよしあき」さんのブログでは初歩的なことをはじめ、さらに発展的なことまでとても解りやすくまとまっているので、ぜひチェックしてみてください。

https://4ch.site/chrod_method/#i

ここまでお読みいただきありあがとうございます。
お疲れ様でした!

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